知財部の仕事や特許事務所では、年齢に関係なく実務経験が豊富な人ほど評価されますが、実務経験は仕事をしている業種や特許事務所によって異なってしまうという特徴を持っています。そのため、実務経験を積んでいけるかを不安に感じてしまう人や、キャリアアップを図りたいと考える人はとても多いです。ですが、知財部や特許事務所の求人情報は少ないと言われてます。そのため、自分で知財部や特許事務所を探すには限界があると言えるでしょう。
そこで、上手く活用する事で転職活動を有意義にできるのが転職エージェントです。
知財部や特許事務所は求人情報が出回りませんが、転職エージェントを経由する事で非公開求人情報を得る事ができます。また、転職エージェントは知財部や特許事務所で行う面接などのサポートをしてくれますので、自分に合った職場を見つけるだけでなく転職率をアップさせる事もできます。そのためには、転職エージェント選びから着実に進めていく事が大事な事です。
エージェントによっては、自社が紹介したい案件を強く提案してくることがあります。
たとえば、「知財部への転職が希望であっても特許事務所を紹介される」という事も実際に起きています。これは、転職エージェントの報酬に関連すると言われています。そのため、転職後に幸せに働ける職場を提案してくれるかどうかという視点でエージェントを選ぶことが大切です。
ここでは、特許事務所と知財部のそれぞれを強みとしているおすすめの転職エージェントを紹介していきます。自分に合った転職エージェント選びをするために、しっかり特徴を知っておくようにしましょう。
転職エージェント利用で注意するポイント
転職エージェントの数はたくさんあり、それぞれの特徴を理解しても「どこが自分に合ったエージェントか見分ける」のは難しいです。エージェントが優れていても、担当者が合わない場合や、担当者が優れていてもエージェント側の方針が合わない場合など、色々な要素が転職の弊害になってしまう場合もあります。
そこで、大事なのが「幸せに働ける職場を紹介してくれるエージェントを選ぶ」「自分に合ったエージェントを選ぶ」という事になります。
では、どのようにして数あるエージェントの中から選べばいいのか?とい疑問が出てくるでしょう。そこで、エージェント選びで最も大事なポイントを紹介します。
転職エージェントは1社に絞らない
転職エージェントは無料で登録する事ができるサービスになり、そのほとんどが5分もあれば登録する事が可能です。ですが、年齢などから断ってくる転職エージェントもあります。
また、転職エージェントに登録しても「必ず、自分に合った担当者」が付くとは限りません。多くの求人情報を手掛けているエージェントであっても、担当者によっては希望に沿った求人情報や、適切な求人情報を見つける事ができないという場合もあります。この場合には、担当者を変えてもらうという選択肢もあります。
ですが、先述したように自社が紹介したい案件を強く提案してくるエージェントの場合には、担当者を変えてもらっても同じ結果になってしまいます。そこで、複数のエージェントに登録しておく事で、それぞれのエージェントや担当者を見極める事ができるようになります。
複数のエージェントとの連絡を煩わしいと感じてしまう人も多いですが、より転職を成功させるためにも必要な要素になります。登録する転職エージェントは1社に絞らずに複数が理想と言われています。また、年齢を重ねていくうちに転職は難しくなってしまうので、複数のエージェントを利用する事で転職可能性を上げる事に繋がります。
転職エージェントによって求人情報は異なる
知財部•特許事務所の求人情報の多くが非公開となっているため、転職エージェントを活用して探した方が多くの情報を得る事ができます。ですが、それぞれのエージェントによって、知財部や特許事務所であっても扱っている案件は異なっています。
もちろん、同じ知財部や特許事務所を紹介する場合もありますが、複数のエージェントに登録する事によって新しい求人情報を見つける事ができます。これは、転職エージェントによって取引をしている企業や特許事務所に違いがあるからです。ですから、複数の転職エージェントに登録することは、多くの企業や知財部•特許事務所と出会う可能性を上げる事に繋がります。
転職エージェントのデメリット
転職エージェントを利用する事は、知財部や特許事務所の転職に有利に働きます。ですが、その反面で、転職エージェントならではのデメリットも存在します。
それが、エージェントから送られてくる求人情報の量と言われています。求人情報が送られてくるだけでは、色々な企業などを比べる事ができるので嬉しい事です。ですが、エージェントを利用した場合は、その一つ一つに応募するか応募しないか、応募しない場合にはその理由を返信しないといけません。これは、その後にエージェント側の案内してくる求人情報の質にも関係していきますので、しっかり返信していくのがおすすめです。
特に、1社に絞らずに複数のエージェントに登録する場合には送られてくる求人情報も増えていきます。その一つ一つに応募するかしないかを返事して行くのは労力が必要になります。そのため、この返信を面倒くさく感じてしまう人が多いのでデメリットの一つになります。
特許事務所に特化した転職エージェント
今回、最もおすすめする特許事務所に強い転職エージェントは、下記の3社になります。それぞれの転職エージェントによって、特徴や強みとしている部分は異なります。そこで、個々の転職エージェントを詳しく紹介していきます。
リーガルジョブボード
おすすめ度 | |
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特徴1 | 内部情報に詳しい |
特徴2 | アフターケアもしっかりしている |
特徴3 | 35歳以上でも特許事務所への成功例が多い |
知財業界を紹介しているエージェントの中でも、勢いがあり評判が高いエージェントです。扱っている特許事務所も、大手から中小まで幅広く対応しています。
リーガルジョブボードの、最も特化しているのが内部情報に詳しいという事です。
紹介する特許事務所に対して自社で足を運び、指導方法などのさまざまな事をチェックしています。そのため、実務経験が豊富な人や未経験者の人に対しても細かい事まで説明してくれます。つまり、実際に就職して「やっぱり合わなかった」という事を事前に防ぐ事が可能になります。
リーガルジョブボードでは専門の担当者が付きますので、弁理士には弁理士専門の人が担当になります。担当者の一人一人が、特許事務所に対しての口コミ情報も持っていて、求人情報だけでは知る事ができないところまで把握しています。
また、登録をする前にエージェントに気軽に相談できるというメリットがあります。転職に関する事で疑問点がある場合には、事前にしっかり確認する事ができるのも嬉しいサービスと言えるでしょう。
アフターケアもしっかりしている
転職エージェントには、転職が成功したらそこで終わりとなってしまう事が多いです。ですが、リーガルジョブボードはアフターケアが行き届いています。特許事務所に対する連絡はもちろんですが、求職者に対しても関係性に問題がないかなどの連絡を取っています。
これは、「すべての働くを幸せに」という会社独自のポリシーがあるからです。あくまでニーズに応えた提案を前提としていて、特許事務所の内部情報を把握できても実際に働いてみたら違ったと感じる部分が合った場合には、その旨を伝える事ができ事務所側とも話してくれますので、安心して仕事ができるようになるでしょう。
35歳以上でも特許事務所への成功例が多い
年齢と共に難しくなってしまう転職。
そんな中でも、30代後半の方や40代の方の特許事務所への成功例がとても多いです。実務経験を積んでいる人はもちろんですが、未経験者の人の大手特許事務所への転職なども成功しているので、転職エージェントとしての実績もたくさんあります。
また、40代後半の方でも収入アップに繋げています。そのため、特許事務所に転職を希望する場合には一番おすすめです。
JACリクルートメント
英国やドイツなど8カ国に対してグローバルネットワークを持っている事から、グローバル関連の転職に特化しています。
おすすめ度 | |
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特徴1 | 特許事務所をはじめ、各業界に特化したコンサルタントが在中 |
特徴2 | 転職の決定率が高い |
特徴3 | 年収アップを目指す場合には断然おすすめ |
英国やドイツなど8カ国に対してグローバルネットワークを持っている事から、グローバル関連の転職に特化しています。
取引をしている企業なども約25000社となっていて、その中の60%が非公開求人となっています。そのため、ニーズに併せて多くの求人情報を紹介してくれるエージェントと言えます。また、特許事務所をはじめ、各業界に特化したコンサルタントが在中しているのも強みとなり、総勢約650人という規模になります。
JACリクルートメントは、転職エージェントの中でも求人の紹介方法は他社とは異なっています。というのも、求人を出している側の担当エージェントが声をかける形になります。そのため、転職の決定率も高く求人に掲載されていない内容なども聞く事ができます。
また、30代以降の求職者に対しても強いので、JACリクルートメントはハイクラス向けのエージェントとしても有名です。そのため、JACリクルートメントは、高収入の求人が多い特徴もあります。弁理士として特許事務所への求人や特許技術者としての求人など、高収入の案件をたくさん見る事ができます。知財業界については役職の案件なども見受けられますので、年収アップを目指す場合には断然おすすめの転職エージェントになります。
MS-Japan
おすすめ度 | |
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特徴1 | 特許事務所だけではなく知財部に対しての求人情報も多い |
特徴2 | 常に最新の市場を把握しているコンサルタントが多く在籍 |
特徴3 | 募集の背景や職場の雰囲気など、細部まで説明するサービス |
士業向けのエージェントとして、弁理士だけではなく特許技術者にもおすすめの転職エージェントになります。
MS-Japanは、特許事務所だけではなく知財部に対しての求人情報もたくさん取り扱ってます。そのため、特許事務所に転職したい弁理士や特許事務所と知財部の両方の求人を見たい方にはおすすめです。
また、常に最新の市場を把握しているコンサルタントが多く在籍していて、年代を問わずに対応しています。非公開求人に対しての募集の背景や職場の雰囲気など、細部まで説明するサービスを心がけていますので、創業30年の間でも多くの人が利用し成功しています。
ですが、非公開求人などに関しては、JACリクルートメントやリーガルジョブボードには劣ってしまいます。そのため、他の転職エージェントと併せて利用するのがおすすめです。
知財部への転職におすすめの転職エージェント
次に、知財部への転職が希望の場合におすすめの転職エージェントを紹介します。
有名な転職エージェントもあるので知っている人も多いと思いますが、知財部を希望する場合には活用するべき転職エージェントです。それぞれの、特徴を紹介していくので順番に見ていきましょう。
パソナキャリア
おすすめ度 | |
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特徴1 | 知財求人の情報が豊富。 |
特徴2 | チャンスがある企業は積極的に紹介してる |
特徴3 | 模擬面接も行っている |
2019年度と2020年度の2年連続で、オリコン顧客満足度で1位を取っている大手転職エージェントです。これは、利用しやすさや紹介案件、担当者の対応などで他のエージェントを上回り1位になった結果です。
特許庁の仕事を請け負っているエージェントになり、特許調査員に対しての求人は他のエージェントに比べて一番です。また、取引をしている大手企業が多数あるため、知財求人の情報も豊富に揃っています。転職する際の希望も最大限答えてくれるエージェントとなり、チャンスがある企業は積極的に紹介してくれます。これは、求人担当と求職者担当の連携力が優れている事から、一人一人に合った企業を紹介する事ができるからです。
オンラインを使ったセミナーや相談会も開催していて、転職に対するアドバイスや相談を個別でする事も可能です。他にも、模擬面接も行っているので、事前にしっかり面接の準備をする事ができます。久しぶりに面接を受ける場合や面接が苦手な方は、積極的に模擬面接を受けておく事で失敗を防ぐ事に繋がると言えます。
リクルートエージェント
おすすめ度 | |
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特徴1 | 非公開求人情報を保有している数がとても多い |
特徴2 | 大手企業もしっかり紹介してくれる |
特徴3 | 応募した企業の選考ポイントなどをまとめた資料をもらえる |
知らない人の方が少ない、有名な大手転職エージェントです。
なんと言っても、非公開も含めて取り扱っている求人数が一番多い転職エージェント。大手エージェントになるので、対応しているのは知財部をはじめ全ての業界です。また、非公開求人情報を保有している数がとても多く、大手企業もしっかり紹介してくれます。
リクルートエージェントを利用した時の一番の魅力は、応募した企業の選考ポイントなどをまとめた資料をもらえる事です。大手企業に対しての面接のポイントにあたりを付けて教えてくれるので、活用すれば採用される確率も上がるでしょう。
ですが、リクルートエージェントは担当者によって質が下がってしまうという部分も持っています。ですから、合わないと感じた場合には、担当者を変更してもらうなど対策を取るのがおすすめです。
dodaエージェントサービス
おすすめ度 | |
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特徴1 | 転職に対する相談は些細な問題でも親身に乗ってくれる。 |
特徴2 | 初めて転職する場合にはノウハウを聞けるのでおすすめ |
特徴3 | スカウトサービスでは書類選考をせずに面接を確約することが可能 |
知財部の求人の数はリクルートエージェントに比べたら少なくなりますが、担当者の質が高い事で評判のエージェントです。
転職に対する相談は些細な問題でも親身に乗ってくれるので、初めて転職する場合にはノウハウを聞けるのでおすすめです。また、エージェントサービスだけではなく、スカウトサービスも行っているので、書類選考をせずに面接を確約する事も可能です。こちらは、匿名でサービスを利用する事が可能なので、現在在職中の方も安心して利用する事ができます。
dodaエージェントサービスでは、求人の状況や経歴によって面談をする事ができます。時間は90分となり、会場に足を運ばないといけないですが個別にマンツーマンで話をする事ができますので、メールや電話と違い会話の受け取りの差異が生まれないので人気があります。面談だけを利用する事はできなくなっていますが、しっかり希望を聞いてくれるので活用したいサービスの一つです。
マイナビ
おすすめ度 | |
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特徴1 | 個人の担当者の他に企業を専門にしている担当者がつく |
特徴2 | 面接に対する全面的なサポート |
特徴3 | 知財部に関しても専門の担当者がつく |
20代などの若い人の転職に特化しているマイナビジョブ20’sから、各業界の専任担当者がつくマイナビエージェント、40代以上の方の転職を支援するマイナビミドルシニアまで多種に渡って利用する事ができる転職エージェントです。
20代や第二新卒向けのマイナビ20’sは、個人の担当者の他に企業を専門にしている担当者がつきます。こちらの企業担当者は、面接に対するサポートを全面的に行っていて、応募した企業が求めている人材などについて丁寧に教えてくれます。そのため、面接に慣れていない20代でも、事前にしっかり準備をして面接に挑む事ができます。また、知財部に関する求人件数は他の転職エージェントに比べると少なくなりますが、若者の転職に特化しているのでおすすめです。
マイナビエージェントを利用した場合は、ヒアリングから模擬面接まで行っていきます。各業界の専任制を採用しているので、職種によっての企業事情に対しての情報もしっかり行ってくれます。知財部に関しても、専門の担当者がつく形になるのでおすすめです。また、マイナビ20’sと同じく、専任の担当者だけではなく企業を担当するアドバイザーからの支援も行っています。知財部に関する求人は、他のエージェントに比べると少なくなってしまいますので、登録は他のエージェントと併せて行うのがおすすめです。
ビズリーチ
おすすめ度 | |
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特徴1 | 登録情報がビズリーチ内で公開され、それを見た企業から声がかかる |
特徴2 | 忙しい方に特におすすめ |
特徴3 | スカウトサービスでは書類選考をせずに面接を確約することが可能 |
転職エージェントのように、担当者がついて転職を行うわけではありません。というのも、ビズリーチは、スカウトを専門としている転職サイトだからです。
登録をする事で、登録情報がビズリーチ内で公開されます。それを見た企業から声がかかったら話を進めて行く流れですから、忙しい方に特におすすめです。また、非公開求人を見る事ができるようになっていますので、自身から応募する事も可能です。
スカウト型の転職サービスとなりますので、希望の職種からだけ声がかかるわけではありません。ですから、知財部以外の業種や企業から声がかかることがあります。ですが、自分の考えてなかった企業などからのスカウトでは、条件の良いオファーのときもあります。そのため、とりあえず登録しておく形でも良いでしょう。
また、基本は無料で利用できますが一部有料会員にならないと利用する事ができないサービスもあります。
有料を選んだ方がハイクラスとなっていて、スカウトの数が増えると言われています。ですが、無料でもしっかり職務経歴書などを記載すればスカウトはきます。自分に合ったサービスを選びましょう。
知財部・特許事務所への転職には転職エージェントを活用しよう!
特許事務所か知財部のどちらが希望かでも、利用するべきエージェントは違います。また、転職エージェントでも一つ一つ特化している部分は違ってきますが、どのエージェントも必ずヒアリングを行っています。この段階で、エージェントの担当者の質を見極める事ができるケースもあります。特に、自分の希望を最大限に聞いてくれるエージェントを利用する事で、知財部や特許事務所を選ぶ選択肢も増えるでしょう。
また、知財部や特許事務所に対する求人情報の大半が非公開となっているので、転職エージェントを利用しないと転職の幅は狭くなってしまいます。働きやすい環境や年収アップを実現するにも、転職エージェントに登録するのはおすすめです。その際は、複数の転職エージェントを利用し、自分に取ってプラスになる、幸せになれる提案をしてくれる転職エージェントを選ぶようにしましょう。