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理系に中小企業診断士より弁理士資格をおすすめする理由を徹底解説

中小企業診断士は、中小企業からの経営相談を受け、問題や課題を分析しサポートする

経営コンサルタントです。経営コンサルタントにもたくさんの種類がありますが

中小企業診断士だけが唯一の国家資格を持っている人たちです。

弁理士は、技術や発明の権利、知的財産を守るための仕事をしています。どちらも重要な

責任を担う仕事ですが、その業務内容は大きく異なるため資格を取得する上での勉強の

方向性も大きく異なります。

その割合を見ると、中小企業診断士には文系出身の人が多く弁理士には、理系出身の人が多く

見受けられます。

 

当記事では、なぜ理系に弁理士がおすすめなのかを業務内容や年収資格試験などを通して

解説していきます。中小企業診断士と弁理士のどちらかで、迷っている理系の方はそれぞれの違いを見て参考にしてみてください。

中小企業診断士と弁理士の資格難易度の違い

中小企業診断士試験と弁理士試験は、どちらの試験も受験資格は設けておらず、年齢、国籍、学歴に問わず誰しもが受けることのできる試験です。

 

中小企業診断士の試験は、一次試験と二次試験に分かれています。

一次試験は、2日間に渡っての試験となるので、時間と集中力が必要な試験です。

一次試験の試験科目は7科目あり、いずれの科目も6割得点すれば合格となりますが

4つの科目は6割以上取れたけれど3つの科目で6割を下回ってしまった場合は、6割点数の

取れた4つの科目は、3年間免除となります。ただ中小企業診断士の試験は、その年によって

科目の難易度が変わるため、傾向が読めないことに注意しましょう。

そして、中小企業診断士試験の最大の難関は、二次試験です。一次試験合格者の2割ほどしか

合格出来ないとても難しい試験で、筆記試験では4つの中小企業の事例に対し

コンサルティングを筆記で行います。また口述試験では、筆記試験の事例を面接形式で

質問に答えます。口述試験は100%に近い合格率なので、筆記試験に的を絞って備えると

よいでしょう。

 

また、中小企業診断士試験の合格者は、30代が最も多く、次いで40代・20代となります。

中小企業診断士試験の一次試験では、免除制度があるため1度で合格できなくても、

働きながらでも挑戦しやすい試験です。

 

先にも、中小企業診断士の試験を受ける人たちに文系出身者が多いことを上げましたが

その理由は、中小企業診断士試験の試験科目にあるでしょう。

中小企業診断士の試験科目は、「経済学・経済対策」「財務・会計」「企業経営理論」

「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」の7科目となるので経済学部や商学部の文系出身者が、学生時代に学んできたことの多くが反映されていることがわかります。

 

また、中小企業診断士は、中小企業診断士の試験に合格した後、3年以内に実務補習を

15日以上受けるか、診断実務に15日以上携わることで中小企業診断士として登録する

ことができます。

 

中小企業診断士の試験に比べて弁理士の試験は、特許や知的財産に関する分野に絞って

勉強することができるので、仕事をしながら独学でも問題なく学ぶことが可能です。

論文試験で出題される事例問題は分析力を求められますが、理系出身の人からすれば

分析は基本的な考え方の一つですから、分析力を合格基準点まで鍛え上げることができれば

一発で合格することも可能です。

実際に、合格者の平均年齢が37歳であることから、たくさんの人が仕事をしながら

資格取得を目指していることがわかります。

 

また、弁理士は、弁理士の試験に合格した後、実務研修があり、修習が終わって初めて

弁理士会に登録して弁理士になれます。

 

このように、試験だけを見ても中小企業診断士と弁理士では大きく異なっています。

 

中小企業診断士と弁理士の合格率

2019年度は、中小企業診断士の一次試験を受けた人は17386名、

合格者は4444名で合格率は25.6%でした。前年度より5%以上も合格率が

上がりました。そして、二次試験を受けた人は5966名、合格者は1088名で

合格率は18.2%でした。中小企業診断士試験の合格者は30代に次いで40代も

多いことから、働きながら中小企業診断士の試験に挑戦していることがわかります。

 

弁理士の試験の場合は、特許庁の発表しているデータによると、2019年に弁理士の試験を受けた人は3488名、合格者は284名で、合格率は8.1%でした。

過去のデータから比較すると、受験者は年々減少傾向にありますが、合格者はほぼ横ばいで

毎年、7%〜8%をいったりきたりしている状態です。

年齢別で合格率を見てみると30代が47%と最も多く、次いで40代が26%と

なっています。

職業別では、会社員が50%となり、合格者の半分を占めています。

合格者のほとんどが数回の挑戦で合格していますが、1回の挑戦で合格する人は

10%以上います。

そして、理系出身者の合格率は78.2%でした。この合格率は、いかに弁理士の試験が

理系出身者にとって有利な資格であるかわかる数値です。

理系大学の出身者の中には、卒業研究や、理系の大学院在学中に行う研究にて

特許を出願することもあります。

特許を申請するまでに数々の工程を踏むため、理系出身者には特許や知的財産に関する

基本的な知識が備わっていることがわかります。

 

また、弁理士試験の選択科目試験の各科目には、理系の科目が多いことからも

弁理士試験の合格者に、理系出身者が多い理由の一つと言えます。

 

中小企業診断士と弁理士では、中小企業診断士試験の合格率の方が10%ほど高いです。

中小企業診断士試験の合格者は、20代の合格者がとても少ないのに対して

弁理士試験は、年齢も20代〜40代と幅広い年齢の合格者がいます。会社員として

働いている人たちも多く、大半の人が理系の職種についている人たちです。

よって、たくさんの文系の人たちが取得する中小企業診断士の試験よりも

社会人になってからの実務を活かし、コツコツ学べる弁理士試験の方が理系出身者に

おすすめであると言えるでしょう。

 

中小企業診断士と弁理士の勉強時間

中小企業診断士試験の勉強時間は1000時間と言われています。中小企業診断士試験は

7科目あり、その全ての科目に勉強時間をあてなければなりません。中でも難易度が高い

科目の財務・会計には、220時間以上の勉強時間が必要です。中小企業診断士の試験は

広範囲に出題されるため、大学での専攻が生かされやすい傾向にあります。

そのため、予備知識の有無によっても必要な勉強時間が異なるでしょう。

 

では、中小企業診断士の試験に比べて、弁理士試験の勉強時間はいかなるものか

説明しましょう。

 

弁理士の試験に合格するために必要な勉強時間は、3000時間と言われており

時間だけで見ると、中小企業診断士よりも2000時間多いです。

 

 

弁理士の1日平均の勉強時間は平日が3時間で土日が8時間と言われていますが、正しい

勉強法で弁理士の試験に必要な範囲だけを勉強すれば、勉強時間は1500時間程度で合格が可能です。弁理士の試験を受ける人たちの多くは会社員ですから、働きながら勉強に時間を

費やすことは簡単なことではありません。

しかし、集中して効率よく勉強を進めていけば、勉強時間は1500時間程度ですみ

受験にかかるまでの時間を1年とし、1日4時間×365日を少しずつ積み重ねていけば

1460時間になり、働きながらでも1年で合格することが可能です。

 

中小企業診断士試験の勉強時間が1000時間と言われていることに対し、弁理士試験の

勉強時間は、効率よく勉強を進めていけば、1460時間までに短くすることが出来るので

勉強時間の差はさほどないことがわかります。

 

中小企業診断士と弁理士にある年収の違い

中小企業診断士の年収

中小企業診断士の平均年収は500万円前後です。一般の働き手に比べると高い年収となっています。しかし、この平均年収には、独立した中小企業診断士の年収も含まれています。

年齢別での平均年収は、55歳〜59歳で545万円と最も多く、20歳〜24歳では

290万円です。24歳以下の年収が極端に少ない理由は、戦力にならず、研修から始まる

ことにあります。

 

また、平均年収は就職する企業や事務所によっても大きく異なります。

①複数の資格を持ち独立して成功している:1000万円

中小企業診断士のみの資格を持って独立している人もいますが、先に公認会計士や税理士、

司法書士の資格を持ち独立している人などが、付帯として中小企業診断士の資格を持っているので、この年収は公認会計士事務所や税理士、司法書士事務所などを経営している人たちの年収が含まれています。

②独立して成功している:400万円〜800万円

中小企業診断士のみの資格を持って、経営コンサルタント事務所を経営している人たちの

年収です。

③有資格者として企業に勤めている者:300万円〜500万円

中小企業診断士の資格を持っている半数の人は、企業に勤めながら中小企業診断士の資格を

取得するため、有資格者としての手当てが毎月3万円〜5万円となります。

 

この他にも都道府県別の平均年収のデータも公表されており、東京都が700万円と最も

多く、1番低い平均年収であったのが沖縄県の400万円です。

東京都と沖縄県では300万円もの収入差が出ています。

 

以上のことから、平均年収500万円と謳われる中小企業診断士の年収ですが必ずしも、

この額がもらえるというわけではなく、年収500万円よりも低い年収になってしまう

可能性があることを押さえておくとよいでしょう。

 

弁理士の年収

弁理士の平均年収は800万円です。

20歳〜24歳の平均年収は433万円で、50歳〜54歳の年収が912万円と

最も多い平均年収となります。

 

また、平均年収は就職する企業によって大きく異なります。

 

①独立して成功している:年収1000万円〜3000万円

弁理士は、その絶対数が少ないことから大変重宝される職種であるため

成功する確率が高く、知財コンサルや経営コンサルに参加することもあり

幅広い収入が期待できます。

よって、年収1000万円から2000万円で独立成功と言えるでしょう。

②大手弁理士事務所、または大企業の企業内弁理士:年収881万円

先に独立を考える弁理士は、大規模な事務所や大手企業に就職する人が多い傾向にあります。

③中規模な弁理士事務所、または中企業内弁理士:年収729万円

④零細弁理士事務所、または小企業の企業内弁理士:年収661万円

 

この他にも都道府県別の平均年収のデータも公表されており、東京都が1064万円と

最も多く、1番低い平均年収であったのが沖縄県の608万円です。

東京都と沖縄県では456万円もの収入差がでています。

 

以上のことから、弁理士の年収と中小企業診断士の年収では、圧倒的に弁理士の収入の方が

多いことがわかります。そして、弁理士は歩合制を採用している特許事務所が多いことから、

年齢に関係なく経験や能力が給与に反映されるため、給与を増やすことが可能です。

特に、理系出身者の場合、得意分野を活かし他の弁理士よりも豊富な知識を

持ち合わせているので、特許事務所での実務経験が5年前後で年収1000万円が手の届く

範囲となります。弁理士は売上次第で報酬は青天井なので年収2000万円も

夢ではありません。

 

中小企業診断士と弁理士の仕事内容の比較

中小企業診断士の業務内容

中小企業診断士は、中小企業の経営コンサルタントを行う業務です。中小企業からの相談を

受け、中小企業が抱えている問題の解決をサポートします。

中小企業診断士には主に2つの業務があります。

 

①公的業務

行政機関や独立行政法人の窓口に来た企業に対して相談に乗る業務です。

国や地方自治体の行政機関や商工会議所などの公的機関から委託を受けて中小企業向けに

相談窓口を設け業務を行っています。

②経営コンサルティング業務

中小企業を対象に経営面の相談を受けるコンサルティング業務です。日本では企業の99%が

中小企業なのでクライアントはとても多く、中小企業診断士が最も関わる業務となります。

 

また、2つの業務の中には必要に応じて、中小企業と行政機関を繋ぐ業務もあります。

中小企業診断士の中には、経営コンサルタントとしての実績を買われ、企業の開くセミナーに

講師として登壇することもあります。

弁理士の業務内容

弁理士の代表的な業務は、知的財産権を取りたい人のために特許庁への手続きを

代理で行うことです。

弁理士の仕事を大きく分けると3種類の業務があります。

 

①産業財産権(特許・実用新案、意匠、商標)の取得

権利の取得、鑑定・判定・技術評価書の作成に関する業務を担当します。

これらはいずれも、弁理士の独占業務となります。

外国での産業財産権の取得のために、外国における拒絶理由通知に対する応答案を作成したり、応答案を基に外国の代理人に正式な書面の作成を依頼したりします。

②産業財産権の紛争解決

訴訟を始め、裁判外紛争解決の手続きなど、輸出差止めの業務となります。

③コンサルティング業務、契約支援

知財コンサルティング、契約書の作成・レビュー、契約の代行を行います。

 

①の仕事は技術者へのヒアリングが多くを占める業務で、技術者の発明について

十分に理解し、特許明細書を作成します。特許明細書は、技術者の説明や、背景技術、

技術の応用例などを記載する必要があり、技術者へのヒアリングが1回、稀に数回と

なる業務です。このヒアリングに関して理系出身者の場合、発明の基礎的なロジックを

理解しているため、スムーズに業務を行うことができるでしょう。

 

理系には弁理士がおすすめ!

当記事では、中小企業診断士と弁理士の年収、業務内容、試験難易度などの違いを

解説させていただきました。

 

中小企業診断士と、弁理士ともに国家資格であり、どちらも誇れる職種ですが

私は理系の人たちに、弁理士になることをおすすめします。

 

中小企業診断士は、弁理士に比べて合格率は高いですが、一発で合格する確率は

5%未満です。弁理士は、試験勉強もスムーズに行うことができ、一発で合格できる確率は

10%以上と、弁理士の方が高いです。

また、平均年収を比べても300万円以上もの差がついていることもおすすめする理由の

1つです。中小企業診断士は、国家試験に合格したにも関わらず、その年収は果たして努力に見合っているのかと考えると疑問が残ります。弁理士の場合は雇われ弁理士としても

安定が望め、独立した後のことを考えても努力が報酬に結びつく数少ない業種です。

 

そして、やはり中小企業診断士には文系出身者が多く、弁理士には理系出身者が多いという

点を考えると、今持っている自分の知識を存分に発揮できるのは弁理士という職業でしょう。

 

あなたが理系出身で、どちらの資格を取るか迷っているならば、是非この記事を参考に

していただければ幸いです。

理系出身弁理士のお仲間が増えることを願っています。

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