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理系に税理士より弁理士資格をおすすめする理由を徹底解説

税理士は企業や個人に対して、所得税など税金に関するアドバイスをしたり

税務サポートをする仕事です。

弁理士は、技術や発明の権利、知的財産を守るための仕事をしています。

どちらも重要な責任を担う仕事ですが、その業務内容は大きく異なるため

資格を取得する上での勉強の方向性も大きく異なります。

その割合を見ると、税理士には文系出身の人が多く

弁理士には、理系出身の人が多く見受けられます。

 

当記事では、なぜ理系に弁理士がおすすめなのかを業務内容や年収

資格試験などを通して解説していきます。

税理士と弁理士のどちらかで、迷っている理系の方はそれぞれの違いを

見て参考にしてみてください。

 

税理士と弁理士の資格難易度の違い

税理士試験には受験資格が必要で、下記のうち一つでも満たせば

受験資格を得ることが出来ます。

・大学・短大・高等専門学校を卒業し、法律学または経済学を1科目以上履修した者

・大学3年次以上で、法律学または経済学を1科目以上含む62単位以上取得した者

・司法試験合格者

・公認会計士試験の短答式試験に合格した者

・日商簿記検定1級または全経簿記検定上級に合格した者

・税務官公署の事務またはその他官公署の国税、地方税事務に2年以上従事した者

・法人または個人の会計事務に2年以上従事した者

・銀行、信託会社、保険会社などで、資金の貸付、運用事務に2年以上従事した者

・税理士、弁護士、公認会計士などの補助事務に2年以上従事した者

 

税理士になるためには、まず上記のいずれか1つの受験資格を持ち、税理士試験に合格し

2年間にわたって実務経験を積まなければならないため、税理士として独り立ちするまでに

たくさんの時間を費やすことになります。

また、税理士試験の合格者は、ここ数年で30代から40代が増加し、合格者の高年齢化が

指摘されています。税理士試験は会計学に属する科目の2科目(必須)と税法に属する科目のうち3科目(選択必須、選択)の合計5科目の合格をもって合格となり、合格した科目は生涯有効なので、1度の試験で全てを合格する必要がないため、働きながらでも挑戦しやす試験です。

先にも、税理士の試験を受ける人たちに文系出身者が多いことを上げましたが

その理由は、税理士試験の受験資格と試験科目にあるでしょう。

上記にあげた税理士試験の受験資格を持つ人たちの大半が経済学部、または法学部を卒業した人が多く、税理士試験を受ける前提の人たちが文系出身者に限定されるような受験資格となっています。それに合わせて、税理士の試験科目は、必須科目の会計学から簿記論と財務諸表論の2科目と選択科目の所得税法、法人税法、相続税法、消費税法または酒税法、国税徴収法、

住民税または事業税、固定資産税の中から、3科目を選ぶ形式になりますから、文系出身者が

学生時代に学んできたことの多くが反映されていることがわかります。

 

税理士の試験に比べて弁理士の試験は、特許や知的財産に関する分野に絞って

勉強することができるので、仕事をしながら独学でも問題なく学ぶことが可能です。

論文試験で出題される事例問題は分析力を求められますが、理系出身の人からすれば

分析は基本的な考え方の一つですから、分析力を合格基準点まで鍛え上げることができれば

一発で合格することも可能です。

実際に、合格者の平均年齢が37歳であることから、たくさんの人が仕事をしながら

資格取得を目指していることがわかります。

 

また、弁理士の場合、税理士のような実務を積んでから合格(登録)ということは無く

弁理士の試験に合格した後、実務研修があり、修習が終わって初めて

弁理士会に登録して弁理士になれます。

新米として、経験豊富な先輩弁理士の下で実務を学ぶ機会を設けられていますが

税理士のように、2年の実務経験を積んで最終試験に臨むことはありません。

 

このように、試験だけを見ても税理士と弁理士では大きく異なっています。

 

税理士と弁理士の合格率

2019年度は、税理士の試験を受けた人は29779名、合格者は749名で合格率は

18.1%でした。毎年、20%前後の合格率となります。年齢別で合格率を見てみると

25歳以下が27%と最も多く、次いで26歳〜30歳未満では18.1%となっています。

41歳以上になると合格率が10%程度です。

 

弁理士の試験の場合は、特許庁の発表しているデータによると、2019年に弁理士の試験を受けた人は3488名、合格者は284名で、合格率は8.1%でした。

過去のデータから比較すると、受験者は年々減少傾向にありますが、合格者はほぼ横ばいで

毎年、7%〜8%をいったりきたりしている状態です。

年齢別で合格率を見てみると30代が47%と最も多く、次いで40代が26%と

なっています。

職業別では、会社員が50%となり、合格者の半分を占めています。

合格者のほとんどが数回の挑戦で合格していますが、1回の挑戦で合格する人は

10%以上います。

 

そして、理系出身者の合格率は78.2%でした。この合格率は、いかに弁理士の試験が

理系出身者にとって有利な資格であるかわかる数値です。

理系大学の出身者の中には、卒業研究や、理系の大学院在学中に行う研究にて

特許を出願することもあります。

特許を申請するまでに数々の工程を踏むため、理系出身者には特許や知的財産に関する

基本的な知識が備わっていることがわかります。

 

また、弁理士試験の選択科目試験の各科目には、理系の科目が多いことからも

弁理士試験の合格者に、理系出身者が多い理由の一つと言えます。

 

税理士と弁理士では、税理士試験の合格率の方が10%ほど高いです。

しかし、合格率だけで判断するのではなく、年齢別の合格率も加味して

判断するべきでしょう。

税理士試験の合格者は、25歳未満の合格者が多いのに対して

弁理士試験の合格者は、年齢も20代〜40代と幅広く、会社員として働きながら資格を

取得している人がたくさんいます。

この会社員として働いている人たちの多くは、理系の職種についている人たちです。

よって、たくさんの文系の人たちが取得する税理士試験よりも

社会人になってからの実務を活かし、コツコツ学べる弁理士試験の方が

理系出身者におすすめであると言えるでしょう。

 

税理士と弁理士の勉強時間

税理士試験の勉強時間は3000時間と言われていますが、中には5000時間以上も試験勉強に費やしている人もいます。

しかし、この時間はあくまで目安であり、税務に関する事前知識の量や、法学部出身であるか、実務経験の有無を考えると、人によって勉強時間のバラつきが出てきます。自分自身に足りない部分をフォローする勉強ができるようにすることが必要でしょう。

また、税理士の試験科目を勉強する際に、各々必要な勉強時間があります。中でも所得税法の勉強時間は、700時間も必要とされていますから、始めから計画的に試験勉強の的を絞ることも必要になります。

 

では、税理士の試験に比べて、弁理士試験の勉強時間はいかなるものか説明しましょう。

 

弁理士の試験に合格するために必要な勉強時間は、3000時間と言われており

時間だけで見ると、税理士と同じ時間数になります。しかし同じといっても時間の使い方は

全く違います。弁理士の1日平均の勉強時間は平日が3時間で土日が8時間と

言われていますが、正しい勉強法で弁理士の試験に必要な範囲だけを勉強すれば、勉強時間は1500時間程度で合格が可能です。

弁理士の試験を受ける人たちの多くは会社員ですから、働きながら勉強に時間を費やすことは

簡単なことではありません。

しかし、集中して効率よく勉強を進めていけば、勉強時間は1500時間程度ですみ

受験にかかるまでの時間を1年とし、1日4時間×365日を少しずつ積み重ねていけば

1460時間になり、働きながらでも1年で合格することが可能です。

 

税理士と弁理士にある年収の違い

税理士の年収

税理士の平均年収は700万円前後です。過去には年収800万円以上と言われる時代も

ありましたが、税理士の資格を持っている人が多いわりに、景気の悪化によって税理士の

顧客となる会社の数が減っているため、税理士法人や独立開業した税理士同士の競争が

激しくなって値上げができなくなっていることが原因と言われています。

また、インターネットの普及によって顧問料の引き下げ競争が激化して薄利多売になってきてしまっている傾向も指摘されています。

 

税理士は年齢によっても大きく年収の違いがあります。20歳〜24歳の平均年収は

365万円です。そこから少しずつ昇給していき、50歳〜54歳の平均年収は1300万円と最も多い平均年収となります。

 

また、平均年収は就職する事務所によっても大きく異なります。

①独立して成功している:1300万円以上

②大規模事務所の税理士:1300万円

③中規模事務所の税理士:712万円

④小規模事務所の税理士:607万円

 

以上のことから、平均年収700万円前後と謳われる税理士の年収ですが、必ずしも

この額がもらえるというわけではなく、年収700万円よりも低い年収になってしまう

可能性があることを押さえておくとよいでしょう。

 

弁理士の年収

弁理士の平均年収は800万円です。

20歳〜24歳の平均年収は433万円で、50歳〜54歳の年収が912万円と

最も多い平均年収となります。

 

また、平均年収は就職する企業によって大きく異なります。

 

①独立して成功している:年収1000万円〜3000万円

弁理士は、その絶対数が少ないことから大変重宝される職種であるため

成功する確率が高く、知財コンサルや経営コンサルに参加することもあり

幅広い収入が期待できます。

よって、年収1000万円から2000万円で独立成功と言えるでしょう。

②大企業の弁理士:年収881万円

先に独立を考える弁理士は、大手企業に就職する人が多い傾向にあります。

③中規模企業の弁理士:年収729万円

④小規模企業の弁理士:年収661万円

 

以上のことから、弁理士の年収と税理士の年収は、就職した事務所や企業、または

独立によって異なります。

そして、弁理士は歩合制を採用している特許事務所が多いことから、年齢に関係なく経験や

能力が給与に反映されるため、給与を増やすことが可能です。特に、理系出身者の場合、

得意分野を活かし他の弁理士よりも豊富な知識を持ち合わせているので、特許事務所での実務経験が5年前後で年収1000万円が手の届く範囲となります。弁理士は売上次第で報酬は

青天井なので年収2000万円も夢ではありません。

 

また、昨今のIT技術の目まぐるしい成長に伴い、AIの発達が目まぐるしい中で税理士の

存続が危ぶまれています。実際に、ヨーロッパの小国エストニアではAIの発達により

税理士が職を奪われ、税理士の数が減少した事実があります。

日本では、あまり馴染みのない国ですが、エストニアは世界有数のIT先進国で、15歳以上の国民は政府から発行されたICカードを所有し、あらゆる手続きを簡単に済ませることができます。税制においても法人は99.9%、個人は99.8%とオンライン申請の割合も増え、誰でも簡単に納税できるシステムとなっています。そのため、税理士の業務の多くがAIに取って代わりました。

日本はまだまだIT文化の波に乗れていない節がありますが、ここ数年で大々的な改善が見込まれることを考えると、少々税理士になることに不安を感じてしまう人も出てくる

ことでしょう。コンピューターでは担いきれないコアな業務を行っている弁理士は、

将来的にも需要の高い業種といえます。

 

税理士と弁理士の仕事内容の比較

税理士の仕事内容

税理士は、税務の専門家です。納税者から依頼を受けて申告の代理や書類作成、税金に関する

税務相談の業務をします。また、企業では法人税や所得税及び住民税の処理業務や、企業の

役員や株主の所得税や相続税対策も仕事の一つです。

税理士は大きく分けて、3つの業務があります。

(1)税務代理

納税者の代わりに税務署に、税金の申告や申請を行います。

税法はとても難しい法律で頻繁に改正される厄介なものです。

そのため、税法の知識のない人が個人で、自主申告や自主納税をすることは

とても大変なので、税務の専門家である税理士に依頼することが一般的です。

また、税務調査の立ち会いも行います。税務調査の立ち会いは、税法の解釈をめぐって

税務署の担当官と議論する場となるので、税理士の腕の見せどころともいえる大切な

業務です。

(2)税務署類の作成

税務官公署に対して申告書、申請書、請求書や不服申立てなどの提出書類などを

作成します。たくさんの割合を占める業務は、確定申告書、中間申告書の作成や決算書

年末調整などがあります。

また、伝票整理や総勘定元帳、残高試算表の作成や、給与計算、源泉所得税納付書の作成なども行います。

(3)税務相談

税金に関する相談になる業務です。最近では、インターネットを使ってオンライン上で

税務相談にのっている事務所もあり、中には税務相談と経営相談を行う税理士もいます。

 

弁理士の仕事内容

弁理士の代表的な業務は、知的財産権を取りたい人のために特許庁への手続きを

代理で行うことです。

弁理士の仕事を大きく分けると3種類の業務があります。

(1)産業財産権(特許・実用新案、意匠、商標)の取得

権利の取得、鑑定・判定・技術評価書の作成に関する業務を担当します。

これらはいずれも、弁理士の独占業務となります。

外国での産業財産権の取得のために、外国における拒絶理由通知に対する応答案を作成したり、応答案を基に外国の代理人に正式な書面の作成を依頼したりします。

 

(2)産業財産権の紛争解決

訴訟を始め、裁判外紛争解決の手続きなど、輸出差止めの業務となります。

 

(3)コンサルティング業務、契約支援

知財コンサルティング、契約書の作成・レビュー、契約の代行を行います。

 

(1)の仕事は技術者へのヒアリングが多くを占める業務で、技術者の発明について

十分に理解し、特許明細書を作成します。特許明細書は、技術者の説明や、背景技術、

技術の応用例などを記載する必要があり、技術者へのヒアリングが1回、稀に数回と

なる業務です。このヒアリングに関して理系出身者の場合、発明の基礎的なロジックを

理解しているため、スムーズに業務を行うことができるでしょう。

 

理系には弁理士がおすすめ!

当記事では、税理士と弁理士の年収、業務内容、試験難易度などの違いを

解説させていただきました。

 

税理士と、弁理士ともに最高峰の国家資格であり、どちらも誇れる職種ですが

私は理系の人たちに、弁理士になることをおすすめします。

 

AI発展の不安もありますが、やはり税理士には文系出身者が多く

弁理士には理系出身者が多いという点を考えると、今持っている自分の知識を存分に発揮

できるのは弁理士という職業でしょう。

 

あなたが理系出身で、どちらの資格を取るか迷っているならば、是非この記事を参考に

していただければ幸いです。

理系出身弁理士のお仲間が増えることを願っています。

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